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病気と旅人

海外旅行で体調を崩す人は多いようで、かくいう私もそのひとり。

インドのバラナシを旅していたときのこと。
最近ではすっかり少なくなりましたが、その頃のガンジス川には人の死体が頻繁に流されていました。
生活用水をたれ流す家も多いので、「ガンジス川には浸かるな、病気になるぞ」とよく先人の旅人から言われたものです。

私が彼の地を訪れたとき、大きな台風が去ったあとだったので、ガンジス川は氾濫しそうな勢いでした。
カフェオレ色の濁流は、家屋や倒木、それに普段よりも多い死体や牛の死骸などを飲み込みながら暴れていました。
こんな川に絶対浸かるか、と思いながら、私は顔や頭や手足をチャプチャプと川の水で流していました。

一週間を過ごし、その日の夕方に次の場所へ発とうというバラナシ最後の朝、ピーカンに晴れました。
子供たちは高い建物の上から川に飛び込み、楽しそうに泳いでいます。
大人たちは全身を川に浸けて沐浴しています。
燦々と輝く太陽の下、みんなとても気持ちよさそうです。
気がつくと、私はパンツ一丁になって頭からガンジス川に飛び込んでいました。

水を一滴も飲まなかったので大丈夫と高をくくっていたのですが、数時間後には腹痛に襲われました。
腹痛は怒濤の下痢に進化し、体温計は42度を超えました。
最悪の体調で次の場所までバスで移動し、そこで一週間寝込んでしまいました。
病院へ行くこともままならない状況だったので、安宿に医者を呼びました。

診断の結果は「アメーバ赤痢」。
汚れきったガンジス川の水に生息する菌は、私の口からではなく、こともあろうに肛門から進入したらしいのです。

ワケのわからない注射を打たれ、ゴキブリのようにデカイ抗生物質を飲まされると、あっという間に体調は回復しました。
それから数年後に数回、ガンジス川で泳いだのですが、あのときのような悲劇が起こることはありません。

みなさん、くれぐれも「水」にはご注意を。